本の話や宇宙の謎、猫の神秘、自作小説など、目についたものをなんでも盛り込むブログ。

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世間の皆様こんにちは。

小説をアップしていると更新がチョー楽!なのはいいんですが、毎日それを続けていると一カ月もしないうちに連続更新ストップしてしまう、と気がついたわたくしです。
誰からも求められていないこともあり、ダメダメ偽ボーイズラブ小説の更新をなんとなく、付かず離れずという間隔でさらしたいと思います。


さあ、今日も行ってみましょう。

『何考えてんの? それ痛いんですけど小説』その4。


【前回までのあらすじ】
主人公・伊織旬 が長い間 「妹」 だと思い込んでいた人間型アンドロイド「ヤーヤ」がシステム異常を起こし、ロボット三原則を無視する暴走を始めた!
旬は「不死身のサンシャイン・パワー」を溜めるべく月基地のソーラーセンターへと単身飛行をする決意をする……


いつになったら「ボーイズラブ風」になるのかさっぱり分からないまま、物語は続きます!

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【その4】 ランランラン♪ナウェイ。イエ~イ!



 どうやって部屋を出たのか、家を飛び出したのか覚えていない。街の中をさまよっていたらしいのだが、それも断片しでかない。
 金ぴかのお神輿。
 威勢のいい掛け声と、大きなうちわ。
 色とりどりの屋台が道路に並び、ぶら下げられた裸電球の灯りは群がる人々の顔相を凶悪に変える。片隅には闇が、息を殺して俺を見つめていた。
 逃げても逃げても、まとわりついてくる夜の色。俺は手足を振り回しながら走った。
 腐臭を放つ何かが俺を追ってくる気がして叫び声を上げた。目の隅に厭な痕跡が見え隠れする。今にも黒いものに変貌しそうな影が付かず離れず飛び回り、ときおり白い歯を覘かせている。
 俺があいつらを感じることが出来るから狙われる。同じものにしてしまえとばかりに、襲いかかる隙をうかがっている。
 追われて、逃げ───周り全てが敵に見えて、やみくもに足を動かした。ごみ箱につまずいて転んだり、看板を薙ぎ倒したりしながら次第に路地深くまで迷い込んでいた。腐った匂いが強くなり、アーケードのようなところを駆け抜けた後には、乱立するビルの隙間を這っていった。酔っ払いの不始末が服にこびりつき、シャツを一枚脱ぎ捨てる。
 その後は少し記憶が飛んでいて、俺は我に返ると、ぽつんととり残されたような廃屋にうずくまっていた。屋根が半分崩れ落ちていて部屋の大部分を埋めてしまっている。窓は四角い穴と化し、砂だらけのソファーが横倒しになっている中、熊のぬいぐるみだけが炯々とした目でこちらを見つめていた。
 外はどしゃぶり。
 俺は肌に張りつく服を指ではがし、ため息を吐きかける。───と、突然床に転がっていたコップが粉々に弾け飛んだ。耳を軽くかすめ、破片が壁に突き刺さる。
 ためらいなく、俺は雨の中に駆け出していった。
 どこに逃げたらいいんだろう。もがくようにして空気を掻きながら、俺はそのことしか考えられなかった。
 逃げよう、どこかに逃げ込もう。早く早く早く……しつこいほどの繰り返し。
 俺は何から逃げてるんだ。
 ぽつりと頭の中に浮かんだ疑問が、急激に膨れ上がる。
 闇から出てくるモノから逃げる。変なモノから逃げる。どうしてあれが怖いんだろう。何で俺を襲ってくるのだろう。あれはどこかで見たことがある。何が何だか分からない。何がどうしたのか解らない。
 だけど俺は、あれが悪いものだと知っている。古い恨みや呪詛、呪いのどろどろした中から生まれるのを知っている。
 知っている。
 あれは俺の中にいる。俺の闇、俺の負の部分。
 俺そのもの。だから怖い。だから逃げたい。
「そう、だよな」
 俺は呟いた。
 いつしか雨は小降りになっていて、工場らしい四角張った闇のなかに立ち尽くしていた。
 でくのぼうみたいに。
「逃げられやしない。あれは俺の本質、俺の根源……だとしたら、こんな体なんて喰われたって、どうってことなかったんだ」
「この、すっとこどっこい」
 静かな声が聞こえてきたと同時に、俺は濡れたアスファルトに叩きつけられていた。視界がほぼ九十度傾く。
「ほんっと、馬鹿は何度死にかけても馬鹿のまんま。これからはあんたのこと、究極のうたりんって呼ぶからな」
「敦也……?」
 懐かしい声に目を上げると、ビニール傘が仄白く光っているのが見えた。ぼやけていた焦点が合ってくると、陶器のように整った顔も分かった。適当なシャツを引っ掛けて、穿き古した黒ジーンズと、なぜかゴムぞうりを履いている。
 いつかのように、かつて仲の良かった子供の面影があった。もう何年も見ていない、いたずらを仕掛けるときの笑顔だ。
 敦也は俺に屈み込むと、一層笑みを深くした。
「まわし蹴りの一発で倒れるなんて、ちょっと隙があり過ぎなんじゃないの?」
「普通、いきなり蹴るか? 相変わらず乱暴な奴だな」
「あんたが救いようのないあんぽんたんなのと同じでな」
「ひでえ」
 起き上がろうとすると、敦也は俺の頭を鷲掴みにした。
「な、何を……?」
「動くな。仕上げしてやるから」
 言いながら、シャツの袖口から白いナイフを引き抜いた。
 俺の背中に寒気が走る。
「やめろよ、お前って何するか解らないとこあるし……」
「はあ? そりゃアンタだろ。いいから動くなってば」
 もみ合ううちに、俺は真剣に敦也を組み伏せようとしていた。刃物を持つ手を掴み、もう片方の手であいつの細い首を絞めてゆく。
 あれ、俺なにしてんだ。そう思ったのは束の間で、指先に当たる敦也の首が吸いつくような肌をしていることに頭の中がいっぱいになった。敦也の首が俺の指を引き付けているのか、それとも俺が敦也の肌を味わいたいのか……どちらがどちらなのか、どちらでもいいのか……むしろこの快楽のために敦也を求めていたのか分からなくなる。
 骨の折れる音が聞きたい───いや、やめろ! 俺は何も考えられなくなりそうになった───
 敦也は抵抗していなかった。気がつくと俺が馬乗りになって絞め上げていて、敦也の体はぐったりとして反応がなくなっている。落ちてくる雨に頬を濡らしている白い頬を、俺はゆっくりと抱き起こした。
 首の骨がなくなったみたいに頭が垂れ、白い咽喉があらわになる。男にしては目立たないのどぼとけに、慎重に口を這わせた。
 俺は何をしてるんだろう。小さく呟く意識は、片隅に追いやられた。飢えた動物のように、敦也の咽喉にむしゃぶり付く───。
「死んだ振りに騙される間抜け」
 冷たい声がして、飛び退こうとしたが間に合わなかった。首の後ろに深々と刃物が刺さる感覚がして、後から激痛がやってきた。
「血を持たぬもの、肉持たぬもの───我が力にて闇に還れ」
 転げ回る俺に、囁きは更なる苦痛だった。
「再び悪しき塊になることは許さん!」
 重い口調で言い切り、敦也は俺の首を掴んで引きずった。
 感じでは何メートルもひっぱり回されたようだったが、すっきりと目を開けたときにはさっきと同じ所に座り込んでいて、敦也を見上げていた。
「俺、いったい……」
 鈍くなっていた頭に、自分のやったことが蘇ってきて冷汗が出る。
「お前を殺そうとした……いや、ほとんど殺していた」
「気にするな」
 お気楽に言ってのけ、敦也は手に持っているものを背中に隠した。そんなことしても無駄なのは解っているはずなのに───。
「それ、何?」
「あん?」
「手に持ってる細長いもの。黒っぽくて手足がいっぱい付いてる、ねずみが百匹ぐらい合体したような」
 敦也は舌打ちした。明らかに面倒臭そうな顔になる。
「やっぱ見えるのか。えーっ、と」
「真ん中へんにでっかい口みたいのがあるけど。ぎざぎざの歯がついた……」
「うん、これは───つまり」
 急に明るく笑って、それを俺に差し出した。
「そうそう、約束したんだったな。やっと見つけたところだけど、お前にやるよ。ツチノコ」
「いらんわ!」
 俺は勢い良く立ち上がった。
「第一、ツチノコであるはずねえだろ!」
「可能性はある」
「断言してもいいよ。絶っ対ない! ……なあ、もっとちゃんと説明してくれよ。どうしてそんなの平気で持てるんだ? さっきの呪文みたいなのと関係あるのか。俺って頭がおかしいのかな───でもお前も変だったけど? あの時お前は半分ぐらい死んでたぞ? いや、もっと……」
「やかましい!」
 まだまだ続くはずだった台詞をぶった切り、ねずみ百匹で俺をひっぱたいた。湿った音と奇妙な柔らかさが怖気をふるわせる。
「あんた、これに取り憑かれてたの。だから祓ったまでだ」
「だから、どう───痛っ!」
 濡れぞうきんでひっぱたかれる痛みに悲鳴を上げ、俺は腕で顔を庇った。
敦也は一発では殴り足りないのか、軽々と振り回して俺を叩く。
「これは〈業魔〉って呼んでる。最初は実体がないが、生き物の体に憑依して、乗っ取る」
「痛い! ちょっと、待て」
「うるせえ!」
 持っているのはこんにゃくです、とばかりに、手加減なしでぶん回す。
「汚れた場所、澱んだ空気を吸って大きくなる。仲間を増やすために、のどぼとけに食い付いて、合体する。放っておくと雪だるまぐらいになっちまうんだな、これが」
「敦也、痛いってば」
「うるせえって。───で、大きくなる前に祓い清めるやつが必要になってくる。それが俺ってわけ」
「解った」
「付け加えると」
 敦也はねずみ百匹を振り回すのを止め、今度は拳骨を振り上げて、殴る真似をする。
「こんなこと出来るやつは人間じゃない。俺は〈業魔〉よりも、魔物に近い生き物さ」
「え───?」
 一瞬無防備になったところを、今度は本当に殴られた。口の中に鉄の味がして、すぐに消える。
「あんたに血を分けた」
 あの事故。俺は心停止寸前で───。
「そうしなければ確実に死んでいたから。でも、そのせいで、一時的に俺と同じ力が備わったんだと思う。この〈業魔〉は普通の人間には見えない。それに、体が超人に近くなる」
「超人……って」
「解りやすく言えばスーパーマンだよ。空は飛べないけどな。体の機能が極限まで高まって、塀は飛び越えられるわ水にもぐれば魚並だわ、ほとんどのことはこなしちまう。怪我だって秒速で治る」
 敦也はもう殴ってはこなかった。眉を寄せて、俺を見つめていた。
「あんなに殴ったのに、あんたの顔、痣のひとつも出来てない。腫れてすらいない……」
 何も言えずにいると、敦也はふいっと背中を向けて、地面に転がったビニール傘を拾った。
「責任は取る」
 と、呟く。
「おそらく一ヵ月ぐらいで効果は消えると思う。その間は一緒に行動した方がいいな。あんた、危なっかしいし……。面倒見てやるから、俺の所に来い」
 そう言うと、かつて追い掛けるだけだった後ろ姿は、ゆっくりと振り返って手招きした。



【その5】に続いちゃいます!





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全然終りにならないのがこの小説という悲劇……

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コメント
この記事へのコメント
こんにちは~(^-^)/
寒いですね~お元気ですか。

ところで今日、ちょっと困ったことになりまして、ブログを休止しました。
英語の勉強はがんばっていきます。
蝙蝠丸さんも、小説がんばって!!
また遊びに来ますね~。
2010/02/04(木) 16:23 | URL | せいの #-[ 編集]
せいのさん。
こんにちは~。
ブログ休止されたんですか?!
どどどどどうされました? なななな何かたたたた大変なことがありましたかっ!
最近は子供関係の用事で出かけることも多く、すっかり不義理をしてしまってすいません……
せいのさんと旦那様のラブラブ生活にいつも癒されているわたくし、復活を強~く希望いたします。
勉強も続けていらっしゃるとのこと。密かに応援しています。
せいのさんガンバです~~~!!
また戻ってきてね~~~!!
2010/02/05(金) 11:28 | URL | 孔雀堂 #/5lgbLzc[ 編集]
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